土まみれで地にひざをつき掘り起こしている視界におびただしい黒い虫が気になる。アリか何かだろうか。
でもそんな事に見入っている余裕はない。掘らなくては。
タイヤ前には柔らかい砂利では噛んでしまうだけだろうから堅いものが必要。自車が脱落したために露わになった路肩の土嚢に目をつける。持ってみると想像以上の重みが疲れた体に容赦ない。
前輪まえを大きくえぐったものの土嚢はわりと大きくバンパーが邪魔をする。結局更に掘り起こしタイヤ幅半分くらい載るかんじにセット。
後は後輪まえの土の撤去と、けん引されたときに道路上へあがらず進んでしまったときのために路肩というかならくの底に密生するイタドリ等の撤去と地ならしをしなくては。
ひたすら進めた。
こんなすごい姿を写真にとも思ったが、ただでさえ人の力を借りなければどうにもならないときに軽々しい行動はいかかなものかと自制。
近づいてくる車。助かった気持ち。これで引っ張ってダメでも誰かを呼んでもらえる。
林道に駆け上り両手を降ると滝ですれ違った一人目の方だった。
さっきすれ違った方ですね、どうされました?
追記
一度牽引してもらいたいんです。あがらないんじゃないかなー。ぼくもそんな気がしますがいちど引っ張ってほしいんです。
その道筋をつくるために土砂と格闘していたのです!
牽引ロープをフォレスターの左後ろレガシィの右前にセット。ゆっくり進んでもらい、ロープが張ったあたりで、こちらもアクセルを。
理想としていた思った角度には進まず、そのまま直進がつづく悪夢の再来。でも次の瞬間路肩の形状がかわったあたりで車が上に向いた。
このまま行けば林道にあがれる!
道路に戻れた!
札幌から滝撮影に来ていた方に助けられた。
感謝感謝なのです。
ほんとにあの日あの場所に来てくれていて助かりました。
ありがとうございました!
事故の様子は残念すぎて未撮。
なので救出後の一枚、f32まで絞ってしまっていてぶれている。
狙いではない。
動揺は続いているということか。