パドヴァへ
早朝ミラノ中央駅を出発したフレッチャロッサ9705は少し遅れてパドヴァへ入った。ここではジョットのフレスコが見られる。ジョットはフィレンツェ出身。その地に現存する鐘楼はドゥオーモの横に凛々しく建っていたのを先日確認し、絵はウフッツィコレクションの最初を飾っていたテンペラの祭壇画は実見してきていたが、今回はフレスコの壁画だ。事前の予約で10分という短い鑑賞時間が与えられる。短い観覧時間なので夜と昼の2回予約しておいた。ここはラヴェンナのようにはゆかず、時間通りの入場で時間通りの鑑賞時間が厳守。12時の予約でついにスロヴェーニ礼拝堂へと思ったらまずは着席させられ解説のビデオを10分ほど。それからついに入場となる。昼時で晴天なので、後陣に向かって右、南からの太陽光が強く差し込む。よって右側壁面は逆光とフレアでとても見づらかった。まぁ自分の眼鏡のガラスの汚れが大きな問題だったのだけど、後悔しても遅し。10分という鑑賞時間で、絵も観て写真も撮るというのは、残念ながら、絵を観ずに終わってしまうことに近いと思う。しかし、予習されていないと、絵巻物のように流れるストーリーを読み解けない。慌てているうちにベルが鳴って10分は終了した。
午後から地域列車でチッタデッラへ。駅を背に進んで突き当たりを右へ曲がると城壁門が見えてきた。ここでは城壁へ登り街を一周できる貴重な場所。門をくぐって旧市街へ入り一軒目のビアバーでサンドイッチとワインを注文。通りはキレイで商店街のようなんだけどシャッターが降りたり、明かりが消えてクローズしている店ばかりで活気がない。1軒目に立ち寄っておいてよかった。城壁アドミッションは街の反対側の城壁2階あたり。ここでチケットを購入し一周回ってきた。場内の旧市街の赤い屋根の統一感、場外の街ごしに北の山脈が長く広がっている。爽快だ。
足早に駅へ向かい地域列車でパドヴァへ戻った。駅前すぐにあるアールヌーボー調の建物が今晩の宿。伊達男ホテルマンの対応でスムーズにチェックインし、ふたたびジョット夜の部へ。夜の部がおすすめかも。日差しがないので、左右両壁面、後陣、ファサード、天上のフレスコを平均的な光源のあかりの中で鑑賞できるのだ。
補足として、今回の旅で歩いて見てきたダンテゆかりのラヴェンナと故郷フィレンツェに加えて、この地パドヴァ大学で教鞭をとったという。ここは世界で二番目に古い大学だ。それから旅に出入る前に読んだフロイト。イタリア好きのこの人はオーストリアからやってきて、ヴェネツィアやパドヴァからイタリアの旅をはじめている拠点ということになる。歴史が重すぎます。
夕食はcoopのサラダと、キイチゴのスパークリングを303号室にて。