渋谷の松濤美術館以来の杉本博司展へやってきた。
観覧を終えての感想は「写真展だった」。場所は近代美術館だったので、今回は一体どんなアプローチで何をみせてくれるのだろうと、そんなことをぼんやり考えていた。勉強不足だった。写真作品のみで構成される回顧展は長らくぶりとのことを後から知り、急遽決めた旅程ではあったけど、やはり今回観に来て良かった。これまでのシリーズをおさらいしつつ、新作も含まれている。全て巨大なサイズの写真プリントで精度も抜群であった。
写真術の始まりからほんの200年。分光特性が光学によって明らかにされ、それは写真術由来である点を指摘しつつ、銀が光に反応するネガポジ像が現在の銀塩写真の始まりであり、それが今終わろうとしている中に作家自身が存在することが語られていた。タルボットの発明とその発明地イギリスでの写真作品を挿入しつつ写真技術の回帰を壮大に描いていた。
自分はすでに絶滅後か。多くの目撃者の一人でありたい。そう願う。
