2009/04/26

破獄


D60 1.4/50cx


刑務所から四度の脱獄をした者と戦中戦後の時代背景、刑務事情のノンフィクション。
この冬も網走監獄へ行ったりしている自分がいて、五寸釘の寅吉の話が記憶にあったけど彼は監獄時代の古い出来事、この佐久間清太郞(本名 白鳥 由栄)という人物は描かれている時代から別人のよう。監獄あらため刑務所になってからのことだった。
一般人は苦しい食糧事情のなか配給不足により栄養不良。そんなとき網走刑務所は広大な農園をそなえ囚人労務をさせることでその確保がかなっていたというのも興味深い。
拘束の不当性からの反発心が大きかったのか四度目の破獄をしてのけた佐久間が府中刑務所で出会う鈴江圭三郎刑務所長の温情ある対応に心が変化していく様子がみえて最後のくだりでは泣けた。

六時起き、破獄の残りを読み切ってすっきりした。読破に時間っていうか日数かかったな。
羆嵐があまりに衝撃的だったから吉村昭さんの小説を是非また読みたいっておもっていた。
今回も期待通りすごい作品だったから読んでみてよかった。
朝から雪になった。
四月後半だっていうのにきびしい気候になっている。


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